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インフォグラフィックス・ワークショップ 1 終了



 
各チームの様子を写真中心で振り返ってみます。  チームごとの詳細は ↓このBOXをクリック
  




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 主催者/TUBE GRAPHICS 木村の感想
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 1日のワークショップとしてはかなりハードな内容と時間設定でしたが、とても充実した一日だったと
 皆さんから寄せられたブログやメールでリフレクションで伝わってきます。
 参加者の皆さん、講師・オブザーバーの方々、ありがとうございました。
 こちら主催者も皆さんと同じぐらい精神的にもとても緊張しますが、とても気持ちのよい疲れです。
 同じものを目指して一生懸命な仲間がこんなにいるんだとビックリされた方も多かったのではないでしょうか。
 皆さんが10倍パワーを得たとしたら、私はその倍以上はいただいたなと思っています。

 第1回目なので計算外のこともいくつか生じましたが、ほぼ満点に近いワークショップだったと思っています。

 私は手取り足取りは教えない方針で臨みました。よほど方向違いでもしない限りは基本的にはみんなで考えている力に任せています。
 これまでも失敗から学んだことのほうが強く印象に残っているはずです。

 ワークショップの中でもっとも重視した3つのポイントを中心に感想を述べます。

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1番目のポイントはこの時間帯の過ごし方でした……長いようで実はとても短い。宿題の「通またはオタクになる」の意味するもの
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 「 10:30〜14:00 ディスカッション・現地調査・ランチ・説明用デザインラフ」の時間の使い方が仕上がりに大きな影響をもたらしています。
 開催直前まで、講師・オブザーバー側では、このタイトな時間で
ぶれない方向性を確立できるのか心配する声が多かった。
 3時間30分のモデルスケジュールを与えた方がいいのではというアドバイスもありました。
 
リーダータイムキーパーを決めるようにとの指示を出したのは、ワークショップを数多く主催・経験している彼らの声に応えてのこと。
 みんなから出たアイディアを付箋に書き込んでペタペタ貼ったり、話の流れをメモする
書記役も決めた方がもっとよかったと思います。

 さて、事前に現地で下調べをしている人が多かったのには正直ホッとしました。でも
「通またはオタク」には成りきれてなかったようです。
 「通またはオタク」は一般の人と並外れた知識・方向性を確立しています。距離を置かれながらも半目あけて興味深く見つめられる存在。
 資料だけでなく、そこから展開させた、偏っていても自分なりのアウトラインをもっとしっかり描いてきて欲しかったなあと思いました。
 また、小さいことでも大きく化けて面白くなることが経験上とても多いのです。こねくり回しているうちにおもしろい形になる可能性があるので、
 
自分の中だけで捨てないこと
少しでもおもしろいと思ったり、えーそうなんだと感じたコトは、一般の興味に近いことがあるので大事にしたい。
 こんなのどう?と積極的になれば、初めからチーム内ディスカッションがもっと濃いモノになり、おもしろい
仮説に結びついていきます。
 ある程度方向性が定まらないまま出かけても、ごく短時間の現地調査で何か画期的なモノが見つかることはまずありません。

 最初からそう言ってほしかったという人もいるかも知れませんが、その場に臨んではじめて理解できるものです。今後にきっと役立ちます。

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2番目のポイントはシャッフルディスカッション……ワークショップの概要で下記のように伝えていました。
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 シャッフルディスカッション(変型バージョン)
 他の2チームからそれぞれ1人ずつ呼び、その2人に対して自分のチームの1人が説明します。この様子を自分のチームのもう1人が観察。
 聞き役は読者という立場。前半2回、後半2回の4回のシャッフルで、自分のチーム以外の2チームについて制作過程で意見が言えるということ。
 2回のうちの1回が賛同者として、もう1回は逆に異見側としての立場を設定するので軽いディベートになれば面白いでしょう。
 全員が説明者、観察者、賛同聞き役、異見聞き役を1回ずつ経験することになります。

 相手の視点から客観的に見るということは知っていてもなかなか難しいですね。
 実は今回の変型シャッフルディスカッションはその練習用に考えたものです。→通常バージョンは浅野さんのブログ参照
 モノを見るとき角度を変えると様々に形が変わります。ちょっと離れてみるとそれ単体だけでなく他との関わりも見えてきます。
 上記の概要の中の
「聞き役は読者という立場」というのがキーワードです。
 いろいろな役目を短時間で経験することによって、日常のアプローチが変化し自分の仕事にいい影響をもたらしてくれればと……。

 
-----こんな場面を想像してみてください-----
 電車でつり革につかまっていると、前に座っている人があなたが作ったページをまさに開かんとしていた。
 あなたが作ったページは「どうです?おもしろいでしょう?」と一所懸命に読者を引きつけようとしています。
 ちらっと見るなり、「知ってることじゃん」あるいは「わけわかんない」と次のページをめくってしましました。もう二度と会えません。
 または、最初は同じように引いて見ていたが、「ん?」と何か共感するものがあったらしくじっくりと読みはじめた。
 共感させたとういことは、つまりその人をその場に連れて行ったということ。何かが魅力として伝わったからでしょう。 
 (配役:つり革の人=観察者、雑誌のページ=説明者、すぐページをめくった人=異見聞き役、読み始めた人=賛同聞き役)
  
 今回の変型シャッフルディスカッションはこの4人の役割を自分一人で経験できる場として考えました。
 自分が説明者のとき、賛同聞き役、異見聞き役、観察者の3人は他の人ですが、
実はこの場にいる4人とも自分だったということです。
 
「視点を変える」には2つの意味があります。単純に最良の形になるポイントを見つけることと、他の人の立場で考えること。
 以前、
講師の上平さんに模型を使って説明したことがあります。→上平さんのブログ参照

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3番目のポイントはたっぷりのプレゼン〜講評時間
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 予定時間は各チーム20分でしたが実際は平均25分。ほんとは30分は欲しかったな。
 せっかく一生懸命作ってもわずかな時間しかない形だけのプレゼンでは、発表をする側も聴く側も時間の無駄です。
 初めて見る人にとってはよく理解できないまま「きれいだねー」ぐらいのイメージしか持たれません。これではチーム内で時間を過ごしただけです。
 こうならないために、今回は制作時間をギリギリまで削ってもプレゼンや質問、講評の時間をできるだけ多く確保しました。

 通常のプレゼンでは、聴く側は初めてその仕事を目にしますが、今回は2回のシャッフルディスカッションで半分の人は相手の内容を知っています。
 できれば半分の人ではなく、全員が他のチームの内容をプレゼンの前に理解しているのがいいのですが……。何かいい方法がないかな。
 自分の意見がどういう風に活かされていったのかも確認できる
共有するプレゼンテーションを目指しました。

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今後のために

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・見えない言葉だけの議論ではいつまでも堂々巡りなだけ。よく見えない鉛筆でなく、ハッキリとした線・色で「形」に出すとそこから発展する。

・前半の
シャッフルディスカッションは、方向が決められないままに突入したチームもあり、各自の役割も徹底しなかった。ミニプレゼンの方がよい。
・途中段階のプロセスの断片は少しは見えるものの、宿題でみんなが考えてきた原アイディアを紹介できていないのが悔やまれる。

・当日まで、他のチームの制作対象もチーム内の他のメンバーの情報も明らかにしなかったが、オープンにしたほうが効率はよかったと思う。
・デジカメが事務局のプリント環境と対応していないメディアだったのでプリントできないチームあり、反省。


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 当日の様子が下記の方々のブログで見ることができます。(各チームメンバーのブログはそれぞれのページからリンクします。)

・講師 上平さんのブログ
  kamihira_log インフォメーショングラフィックス・ワークショップ1 in Shibuyaへの参加後雑感
  参考:インフォグラフィックスのもう一つの意味
→→松田行正さんトーク

・講師 小林さんのブログ
 【ENJOY TOY AND DeSign】グラフィックス私見


・オブザーバー 浅野さんのプログ
  情報デザイン研究室 インフォグラフィックス・ワークショップ 1報告 前編
  情報デザイン研究室 インフォグラフィックス・ワークショップ 1報告 中編
  情報デザイン研究室 インフォグラフィックス・ワークショップ 1報告 後編

・オブザーバー 棚橋さんのプログ
  DESIGN IT! w/LOVE アイデア・素材・表現(インフォグラフィックス・ワークショップ 1に参加して)
  参考:DESIGN IT! w/LOVE 参加型の創造としてのワークショップ


・関連情報:11月15日横浜で開催 第2回情報デザインフォーラム